「家賃をちゃんと払っているのに、いつの間にか“家賃滞納者”にされていたら?」そんな理不尽な状況に、一人で立ち向かうのは正直かなりしんどいです。
今回は、法定更新の中で家主と不動産会社から不当な請求を受け続けた私が、「全借連(全国借地借家人組合連合会)」と出会い、ようやく一人で抱え込む状態から抜け出しつつあるプロセスをお話しします。
争いごとが苦手な一人暮らしの方ほど、「自分だけじゃない」と感じてもらえたらうれしいです。
「自分でやってみる」に限界を感じた瞬間
私のトラブルは、家賃の値上げ要求と法定更新が絡んだ、少しややこしいケースでした。
実際、市区町村の弁護士相談(無料30分)でも、これまでの経緯を説明し、理解してもらうだけでほぼ終わります。
裁判所で和解調書まで作成され、「これで一段落」と思っていたのも束の間。
家主と不動産会社は、和解前の古い契約書の条文を持ち出してきて、こうした請求を続けてきました。
- 更新料の請求
- 遅延損害金(支払いが遅れたときのペナルティ)の請求
- すでに払っている敷金をさらに追加で求める動き
私は、和解調書に従って毎月まじめに家賃を振り込み続けていました。
ところが、その振込を「家賃」ではなく、勝手に更新料や遅延損害金に充当されてしまい、その結果、帳簿上は「家賃滞納」と扱われるようになったのです。
そしてついに、家賃保証会社の担当者が自宅まで来訪。ポストには「202X年○月分家賃が未納になっています」という趣旨の書面が投かんされていました。
こちらから経緯を説明し、メールでも法的な筋を丁寧に伝えましたが、家主・不動産会社側の対応は大きく変わりませんでした。
「ここまでやってもダメなら、もう一人でできることは残っていないのではないか」
そう思い、正直なところ心が折れかけていました。
TVの家賃値上げ特集で知った「全借連」
そんな中、たまたま「家賃値上げ問題」を取り上げるTV番組を目にしました。
内容は、これまで自分で調べてきたことと重なる部分が多く、「ああ、またよくあるパターンね」と半分流し見していました。
ところが、その中で聞き慣れない名前が出てきます。
「全国借地借家人組合連合会、通称『全借連』……」
思わず手を止めて聞き入ってしまいました。
全借連は、借地人・借家人が全国で連携し、不当な地代・家賃の値上げや一方的な明け渡し要求に反対し、暮らしと権利を守ることを目的にした団体です。
正直、それまで私は「全借連」という名前を一度も聞いたことがありませんでした。
困ったときの相談先と言えば、
- 188(消費生活相談)
- 市役所など行政窓口
- 不動産会社の本社
- 国土交通省の相談窓口
このあたりには実際に問い合わせをしていました。
しかし、法定更新で賃貸借関係が続いている状態になると、行政から返ってくる答えはだいたい決まっています。
- 「個別の紛争に介入することはできない」
- 「民事のトラブルなので、当事者同士か裁判で解決してほしい」
制度の解説はしてくれるけれど、具体的に一緒に戦ってくれる存在ではない──。
そのギャップに、「行政にも限界があるんだな」と痛感させられました。
元市議の担当者と、久しぶりに感じた「味方」の存在
「全借連って、実際どんなところなんだろう?」
半信半疑のまま、思い切って最寄りの組合に電話をかけてみました。
対応してくれたのは、元市議会議員だという方。
肩書き以上に印象的だったのが、その傾聴の姿勢でした。
- 裁判や和解調書の内容
- 家主・不動産会社の具体的な発言や行動
- 家賃保証会社とのやり取り
これらを、途中で遮らず最後まで聞いたうえで、「ここは法的におかしいですね」「このメールは証拠として大事なので保存しておきましょう」と、借主の立場に寄り添ったコメントをしてくれます。
「大変でしたね」で終わらない相談先は、実はとても貴重です。
一人で言葉を選びながら管理会社や家主にメールを書く日々から、「一緒に整理してくれる誰か」ができたことで、肩の力が少し抜けました。
全借連に入会して見えてきた「構造的な問題」
全借連は、各地の借地借家人組合を束ねる全国組織で、日本中から寄せられる家賃値上げや明け渡しトラブルの相談を集めています。
家賃・地代の値上げトラブルだけをとっても、一度の相談企画で全国から多数の相談が集まり、中には現行家賃の2割を超える大幅値上げを迫られた事例もあるそうです。
自分のケースだけ見ていると、
「なんでこんな理不尽な目に自分だけ遭うんだろう」
と孤立感に押しつぶされそうになります。
でも、相談を通して見えてきたのは、これは一人の借主の問題ではなく、社会全体で起きている構造的な問題だということでした。
全借連は、任意の組合で、会費は
- 入会金:3,000円
- 月会費:1,000円
決して「タダ」ではありませんが、
- 不当な請求と闘うために使ってきた時間
- 毎日モヤモヤし続ける精神的なコスト
を考えると、「このくらいで“仲間”と情報を得られるなら安い」と感じ、私は入会を決めました。
会員になると、月に一度「全国借地借家人新聞」などの会報が届きます。
そこには、
- ブラック家主・管理会社の具体的な手口
- それに対して、どんな主張や証拠で対抗したのか
- 結果として、どこまで家賃値上げを抑えられたか
- 不当な原状回復費や更新料を撤回させた事例
ただの読み物ではなく、「次に自分が何をどう主張するか」のヒント集として、とても心強い存在です。
「自分だけで頑張る」をやめてもいい
もちろん、全借連に入ったからといって、すべてが一瞬で解決するわけではありません。
法定更新の中で、和解調書と矛盾する請求を繰り返す家主・不動産会社に対して、どこまで自分で対応し、どこから弁護士や弁護団に正式に任せるのか──その線引きは、今も慎重に考えているところです。
それでも、大きく変わったことが一つあります。
それは、「全部自分で何とかしなきゃ」というプレッシャーから解放されつつあることです。
今は、全借連という「借主側の専門家集団」に相談しながら、「仲間と一緒に考え、動く」フェーズに入ることができました。
もしあなたが今、家賃値上げで不安なら
もしこの記事を、こんな状況で読んでいる方がいたら──
- 不動産会社から、理由がよく分からない家賃値上げ通知が来た
- 断ったら、「じゃあ更新しません」「出ていってください」と言われそうで怖い
- 争いが苦手で、そもそも誰に何を相談すればいいか分からない
そんなときは、一人で抱え込まないことを、まずは一番大事にしてほしいです。
選択肢の一つとして、
- 188(消費生活相談)で大枠を聞く
- 行政窓口で制度を確認する
- そして、借主側に立つ「全借連」のような団体に一度相談してみる
住まいは、生活の土台であり、本来は守られるべき権利です。
「家賃を上げられたら終わり」「嫌なら出ていくしかない」とあきらめる前に、
ぜひ一度、「自分一人ではない」という前提で情報を集めてみてください。
賃料増額ドットコムでは、今後も法定更新の実例や家賃値上げをめぐる交渉の実体験、そして借主側が取れる具体的な行動を発信していきます。
家賃値上げや退去トラブルで不安なときは、サイト内の記事もあわせて読んでみてください。検索からたどり着いたあなたの、「最初の一歩」のヒントになれば幸いです。
※本記事は筆者の実体験に基づいており、一般的な法的情報は全国借地借家人組合連合会などの公開情報も参考に構成しています。




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