賃貸住宅に長く住んでいると、突然「家賃を上げたい」という通知が届くことがあります。私もその一人でした。交渉を重ねても合意に至らず、ついには訴訟へ。やがて、原告(貸主)が大幅な家賃増額を求めてきた本当の目的は「私を退去させること」だと気づきました。しかし、裁判所の手続きは、その貸主の“本音”とは無関係に、事務的かつ淡々と進みます。
裁判所は「訴状の記載」と証拠をもとに家賃を決める
裁判になると、原告(貸主)は「訴状」に家賃増額の理由や希望額、退去理由などを記載します。被告(借主)は「答弁書」で自分の考えや反論を書きます。
裁判所が注目するのは、訴状や答弁書、証拠資料に基づく“法的な争点”だけです。
たとえ貸主の本当の狙いが「退去」であっても、裁判所は「家賃をいくらにするのが相当か」という点だけを、相場や不動産鑑定士の意見書、契約内容などから機械的・客観的に判断します。
口頭弁論は淡々と進む
裁判の現場はドラマのような劇的なものではありません。
口頭弁論期日では、原告・被告が交互に主張や証拠を提出し、裁判官はそれを整理していくだけです。
「なぜこんなに家賃を上げたいのか」「本当は退去させたいのでは?」といった貸主の“意図”が問題にされることはなく、
判決の焦点は「継続賃料の算定方法」(たとえば差額配分法やスライド法など)のような、専門的で中立的な基準に絞られます。
本音と現実のギャップ
実際、私のケースでも、原告が和解案や準備書面で「賃料増額の合意が困難なので契約関係を解消したい」と明言してきました。
しかし、裁判所はその“本音”には踏み込まず、訴状記載時点の家賃や相場に基づき、粛々と和解を推奨してきます。
おそらく、判決になっても判決文にも貸主の本当の動機や感情は一切反映されないものと思われます。
たとえ「退去させたい」という意図が明らかでも、違法とはされず、裁判所はあくまで法と証拠に従って家賃を決めるだけです。
借主ができること
この現実を知っておくと、貸主の“誘導”や圧力に過度に振り回されずに済みます。
裁判所は、
- 訴状や証拠に基づいて淡々と判断する
- 本音や感情論には左右されない
- 家賃増額の相当性や支払い方法など、法的な論点だけを整理する
という姿勢を崩しません。
借主としては、冷静に自分の主張や証拠を準備し、必要なら和解条件(分割払いや猶予期間など)を粘り強く交渉することが大切です。
まとめ
家賃値上げの裏に「退去させたい」という貸主の本音があったとしても、裁判所は訴状や証拠に基づき、事務的に家賃を決めていきます。
借主は過度に感情的にならず、事実と証拠で淡々と対応することが、自分を守る最善の方法だと実感しました。
これまでの経緯詳細はこちらの記事からどうぞ。





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