契約書に「賃料の変更は双方合意の上」と記載されているにもかかわらず、同意していない増額分が銀行口座から引き落とされるケースがあります。この場合、借主には返金を求める権利があります。
こんな相談が実際にあります
- 契約書に「双方合意」と明記されているのに、値上げ分が勝手に引き落とされた
- 保証会社への振込口座が変更されたと知らされたが、処理完了の連絡がないまま旧口座にも振り込み、二重払いになった
- 更新時の家賃引き落とし額が、事前の説明と異なる金額になっていた
まず確認すること
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約書の賃料改定条項 | 「協議の上」「双方合意の上」といった記載があるか |
| 通知の有無 | 値上げについて事前の説明・通知があったか |
| 引き落とし額の内訳 | 家賃、共益費、更新費用などの区分 |
| 支払い記録 | 振込明細、口座履歴を保存する |
契約書に合意が必要と明記されている場合、借主が同意していない増額分を一方的に引き落とすことは、契約違反にあたる可能性があります。
対応の手順
- 引き落とし履歴と契約書を確認する:増額分がいつから、いくら引き落とされているかを確認する
- 管理会社・大家に事実を確認する:同意していない旨を伝え、引き落としの根拠を尋ねる
- 返金を求める:同意していない増額分について、書面で返金を請求する
- 今後の引き落としを止める、または元の金額に戻すよう求める
- 対応がない場合は専門家・専門団体へ相談する
返金請求の文例
”契約書第○条には、賃料の変更は双方合意の上行う旨が
記載されておりますが、当方はこれまで値上げに同意しておりません。
そのため、既に引き落とされた増額分(○円×○ヶ月分)について、
返金をお願いいたします。
また、今後の引き落としについても、従前の賃料に基づいて
行っていただくようお願いいたします。”二重払いが起きた場合
保証会社の口座変更など、事務手続きの都合で家賃が二重に引き落とされることもあります。この場合は、次の対応を行ってください。
- 両方の振込明細・引き落とし記録を保存する
- 二重払いの事実を管理会社・保証会社に伝える
- 返金、または翌月家賃分への充当を依頼する
- 対応が遅い場合は、書面で改めて申し入れる
明細書などの証拠がある場合、返金や翌月家賃分への充当に応じてもらえる可能性が高くなります。感情的にならず、事実と記録に基づいて冷静に交渉してください。
少額の場合の相談先
引き落とし額が少額で、弁護士への依頼が採算的に難しい場合でも、次の相談先が利用できます。
- 自治体の消費生活センター
- 借主側の専門団体である全国借地借家人組合連合会(全借連)
- 少額訴訟制度(60万円以下の金銭トラブルを対象とした簡易的な訴訟手続き)
値上げそのものに納得できない場合は、賃料増額請求の対応ガイド2026も確認してください。
まとめ
契約書で合意が必要と定められているにもかかわらず、同意していない値上げ分が引き落とされている場合、借主には返金を求める権利があります。記録を残し、まずは書面で事実確認と返金請求を行い、対応がなければ専門家・専門団体へ相談してください。
監修・注意事項
法令確認日:2026年8月
本記事は一般的な考え方を紹介するものです。契約内容や引き落としの経緯によって対応が異なるため、判断に迷う場合は専門家へ相談してください。


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