賃貸借契約の賃料増額交渉が長期化し、訴訟や調停に発展するケースは珍しくありません。こうした状況下で、家主や不動産会社が「話し合いがまとまった」として新たな賃貸借契約書類を送付してくることがありますが、これは実体と異なる手続きが進められている危険なサインです。
法定更新中の契約状態とは
賃貸借契約の期間が満了し、更新や条件変更の合意が成立しないまま交渉が続いている場合、契約は「法定更新」となります。これは借地借家法による強行規定であり、従前の契約条件がそのまま継続し、期間の定めのない契約となるのが原則です。この期間中、家主や不動産会社が一方的に新たな契約条件や書類を提示しても、法的効力は発生しません。
訴訟・調停中は「和解成立日」が分岐点
訴訟や調停が続いている間は、裁判所で和解が成立し、その内容が和解調書として確定する日が「新条件の発効日」となります。それまでは、いかなる書面や通知が届いても、現行契約(法定更新状態)が続きます。和解成立前に新たな契約書類に署名・押印してしまうと、後で条件が食い違った場合にトラブルの元となるため、絶対に避けてください。
不動産会社からの書類送付はなぜ問題か
実務では、不動産会社が家主の意向を受けて「賃料改定がまとまった」として新たな契約書類を送ってくることがあります。しかし、訴訟や調停中で和解が成立していない段階でのこうした手続きは、借主の権利を損なう危険性があります。家主と不動産会社の間で「話がまとまった」とされても、借主が納得し、裁判所で正式に合意が成立するまでは、契約条件は変わりません。
借主がとるべき対応
- 和解成立日以前は、従前の契約条件(法定更新)が継続していることを明確に主張する。
- 和解書面や裁判所の調書に署名・押印するまでは、新たな契約書類へのサインや返送を控える。
- 不明な点があれば、必ず専門家や裁判所に確認する。
まとめ
賃料増額交渉が訴訟や調停に発展した場合、少なくとも「和解成立日」までは法定更新状態が続きます。家主や不動産会社が先走って新たな契約書類を送付してきても、正式な合意が成立するまでは応じる必要はありません。借主としては、冷静に現状を見極め、正しい手続きを踏むことが自身の権利を守る最善策です。
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皮肉たっぷりのため、「別カテゴリ:風刺」として掲載させていただきました。
笑ってやってください。。。







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