
賃料増額訴訟で借主が敗訴した場合、裁判費用やその負担について気になる方も多いでしょう。本記事では、家主と借主がそれぞれ原告(訴えを起こした側)となる場合をケース別に解説し、少額裁判や通常の訴訟における費用や負担割合について詳しく説明します。
1. 家主が原告の場合
(1) 少額裁判の場合
- 少額裁判とは?
少額裁判は、60万円以下の金銭請求を迅速かつ簡易に解決するための手続きです。賃料増額請求でも適用されることがあります。 - 費用と負担
少額裁判では、印紙代や郵便切手代などの実費が数千円程度かかります。敗訴した借主がこれらの費用を全額負担する可能性があります。私の場合、調停委員兼不動産鑑定士の方のご厚意により、無料で簡易鑑定をしていただきましたが特に費用負担はありませんでした。簡易鑑定ですと一般的には5~10万円程度費用が掛かるそうです。 - 本人訴訟が多い理由
少額裁判では弁護士を依頼せずに本人訴訟として進めるケースが多く見られます。これは、少額裁判自体が簡易な手続きであるため、弁護士費用を節約したい当事者にとって適しているからです。実際、日本では少額裁判の約74%が本人訴訟で行われています。
(2) 通常の訴訟の場合
- 費用概算
通常の賃料増額訴訟では、不動産鑑定士による鑑定費用(数十万円程度)や弁護士費用(着手金20~50万円+成功報酬)が発生します。 - 費用負担
原則として敗訴者が負担しますが、裁判官の裁量で双方に分担させるケースもあります。
(3) その他
- 調停前置主義に基づき、調停が不成立となった場合にのみ提起されるため、調停段階で合意できれば大幅なコスト削減が可能です。
2. 借主が原告の場合
(1) 少額裁判の場合
- 借主が家賃増額請求を不服として少額裁判を提起するケースもあります。
- 費用は家主側の場合と同様ですが、敗訴時には借主が全額負担することになります。
- 本人訴訟の選択肢
借主側でも少額裁判では本人訴訟となることが一般的です。これは弁護士を依頼するコストを抑えるためであり、比較的簡易な手続きであることから対応可能と考えられるためです。
(2) 通常の訴訟の場合
- 借主が通常の訴訟を起こす場合、不動産鑑定士による鑑定費用や弁護士費用が必要です。
- 敗訴時には、これらの費用に加えて家主側の一部費用も請求されることがあります。
(3) その他
- 訴えを起こす際には、適正賃料を証明するために十分な証拠(周辺相場や契約内容)が必要です。これを欠くと、不利な結果となり高額な費用負担につながります。
まとめ
賃料増額訴訟では、敗訴者が原則として裁判費用を負担します。ただし、当事者間の公平性を考慮して分担される場合もあります。また、少額裁判では本人訴訟となるケースが多く、弁護士費用を節約できる一方で、自分自身で法的知識や準備書類作成などに時間と労力を割く必要があります。事前に弁護士や専門家へ相談し、適切な対応策を講じることが重要です。




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