賃貸物件に住んでいると、突然大家さんから「家賃を上げたい」と言われることがあります。家計に直結する重大な話ですが、借主として冷静に対応し、納得できる和解案を作ることが大切です。ここでは、賃料増額請求を受けたときの流れと、借主目線で役立つ和解案作成のポイントを解説します。
1.賃料増額請求を受けたら、まず確認すべきこと
大家さんから賃料増額請求があった場合、まずは書面での通知内容を確認しましょう。法的には内容証明郵便で請求されることが多く、請求理由や新しい家賃額、増額の根拠(近隣相場や物価上昇など)が記載されています。
この時点で納得できない場合は、すぐに合意せず、冷静に対応することが大切です。
2.交渉と調停の流れ
賃料増額は、まず当事者間の交渉から始まります。借主は自分の生活状況や収入、近隣家賃相場などを調べ、「この金額なら納得できる」というラインを明確にしておきましょう。
交渉でまとまらない場合、大家さんは簡易裁判所に調停を申し立てることができます。調停では調停委員や不動産鑑定士が間に入り、双方の主張や資料をもとに「相当な賃料額」の試案が示されることもあります。
調停で合意できなければ、訴訟に進むこともありますが、多くは調停や交渉で解決しています。
3.借主として和解案を作るポイント
和解案は「自分の生活を守る」ための提案です。以下の点を意識しましょう。
- 増額幅の根拠を求める
大家さんが提示した増額理由や相場データを確認し、納得できるか精査しましょう。納得できない場合は、自分でも近隣相場や物価動向を調べ、反証資料を用意します。 - 分割払い・猶予期間の交渉
増額が避けられない場合でも、急激な負担増を避けるため、分割払いや一定期間の猶予を求めることが可能です。たとえば「増額分は24回の分割払いとする」「増額適用は半年後から」など柔軟な案を提示しましょう。 - 遅延損害金や支払方法の明確化
遅延損害金は法定利率(年3%)を上限とし、不当に高い利率を合意しないよう注意しましょう。支払方法や起算点も具体的に明記します。 - 立退きや立退料の交渉
増額交渉が立退き要求とセットになる場合、立退料の金額や支払方法も明確に。実費補償や慰謝料の有無、分割払いの可否など、現実的な条件を盛り込むことが大切です。 - 和解案は明確・具体的に
和解書は「何について」「どのような条件で」和解するのか、第三者が読んでも分かるよう明確に記載しましょう。曖昧な表現は後のトラブルの元です。
4.和解案作成の実例
例えば、
- 「賃料増額分はXXXX年XX月から適用、ただし増額分は24回分割払いとする」
- 「遅延損害金は年3%とする」
- 「立退料はXXX万円、和解成立後24回分割払い」
- 「立退料の算定基準や、未払賃料との相殺方法も明記」
など、自分の収入や生活実態に即した条件を具体的に盛り込みましょう。
5.和解成立後の注意点
和解が成立したら、和解内容を書面で必ず残し、双方が署名・押印します。合意内容が不明確だと、後のトラブルにつながります。
また、和解後に新たな賃料増額請求がされる場合、法律上は年数制限はありませんが、実務上は2~5年程度空けるのが一般的です。
まとめ
賃料増額の和解案は、借主の生活を守るための重要な交渉材料です。情報収集と冷静な対応を心がけ、納得できる条件で合意しましょう。困ったときは専門家や市区町村の無料相談を活用し弁護士相談の利用も検討しましょう。



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