突然「契約解除」「不法占有」と書かれた通知が届いたら、
結論:一方的な「契約解除通知」が来ても、すぐに出て行く必要はありません
家賃をちゃんと払っているのに、ある日突然「契約を解除しました」「あなたは不法占有者です」と書かれた紙やPDFが届いたら、20代の一人暮らしなら誰でも怖くなります。
でも、そこであわてて何もかも相手の言う通りにする必要はありません。通知の内容を整理し、専門家(借主側の団体や弁護士)に見てもらえば、取れる選択肢は必ずあります。
通知はあくまで「貸主側の主張」を書いた紙にすぎないから
今回、私のもとにも、不動産会社経由で家主名義の「通知」がメールで届きました。
個人や物件が特定されないように少し変えていますが、要点はこんな内容です。
- 先日送った滞納賃料の支払督促について、期限までに支払いがなかった
- したがって、賃貸借契約は本日付で解除された
- 今日以降、あなたはこの物件について占有権限のない「不法占有者」となるので、速やかに退去せよ
- ただし、同居家族がいる事情を考慮し、数か月先まで退去期限を猶予する
- その間、「賃料相当損害金」(現家賃に近い水準)と、いわゆる滞納分を支払い、退去予定日を事前に知らせて退去すること
- 退去しない場合は、建物明渡訴訟を提起する
- 裁判の和解で「本件に関し、その他の債権債務はない」と確認したことで、更新料や追加敷金、遅延損害金まで免除されると考えるのはおかしいのではないか。賢明な判断をお願いしたい
読みながら、胸のあたりがギュッとなりました。
ただ、ここで一度立ち止まって考えたいのは、
- これは裁判所の判断ではなく、「貸主側の一方的な評価と主張を書いた紙」にすぎない
- 「契約解除」「不法占有者」と書かれても、その有効性は最終的に裁判所が判断するものであり、今すぐ効力が確定したわけではない
というポイントです。
賃貸借契約の解除には、「滞納の内容」「催告の期間」「借主側の事情」など、いくつもの要素が関わってきます。
解除通知が届いた時点では、まだ「貸主がそう主張している段階」でしかありません。
私のケースで起きている「主張のズレ」
私自身のケースでは、少し複雑な経緯があります。
- 過去に家賃値上げをめぐる裁判があり、その和解で「過去分の家賃差額や更新料、遅延損害金など」を一括で支払い、「本件に関し、その他の債権債務はない」と確認した
- 和解以降は、毎月「○月分家賃」と明記して、期日どおりに家賃を振り込んできた
それにもかかわらず、家主側は、
- 過去の更新料や家賃増額分の差額、遅延損害金などを、改めて「残っている債務」として計算し直し
- それを、今の毎月の家賃から一方的に振り替え(充当)
- その結果、「足りなくなった部分が滞納賃料だ」と主張
という形で、「滞納」「信頼関係の破壊」「契約解除」へと話を進めています。
ここで大事なのは、
「貸主には貸主の論理があり、借主には借主の論理がある。どちらが法的に妥当かは、第三者(裁判所)が判断する領域だ」
ということです。
いまは「貸主側の通知」が先にこちらに届いているだけで、
借主側の主張は、これから全借連と弁護士と一緒に整えていく段階にあります。
20代の一人暮らしだった頃の自分なら、きっと飲み込まれていた
私が20代で一人暮らしを始めたばかりの頃、同じような通知を受け取っていたら、きっとこう考えていたと思います。
- 「不法占有者って書かれた…もうここに住んでいられないのかな」
- 「裁判って言われたら、もう勝ち目がないのでは」
- 「よく分からないから、とりあえず言われた通りに払って出ていった方が安全かも…」
争い事が苦手で、「相手を怒らせたくない」「迷惑をかけたくない」と思ってしまう性格なら、なおさらです。
でも今の私は、全借連と弁護士に相談したうえで、この通知を受け取っています。
だからこそ、あえて「自分からは何も返信しない」「家賃だけきちんと払い続ける」という選択をしました。
- 家主・不動産会社・保証会社への返事はすべて弁護士経由にする
- 通知やメールは、封筒ごと・PDFごと保存し、専門家に見てもらう
- 家賃はこれまで通り、「○月分家賃」と明記して淡々と振り込む
この三つだけ守ることで、「感情」で動かされず、「事実」と「権利」に基づいて動きやすくなります。
借主が今できる「3ステップ」
もし、あなたが今この記事をスマホで読みながら、不安でいっぱいになっているなら、
以下の3ステップだけでも動いてみてください。
- 通知と封筒をすべて保存する
- 紙なら、封筒も含めてスマホで写真に撮る
- PDFやメールなら、別フォルダにコピーしておく
- 自分の支払い状況を整理する
- 家賃をいつ、いくら、どういう名目で払ってきたか
- 銀行の履歴や振込控えをベースに、ざっくりでいいので一覧にする
- 第三者に見てもらう
- 借主側の団体(借地借家人組合など)
- 弁護士会の法律相談
- 自治体の住宅相談窓口
などに、「通知の写真」と「支払いのメモ」を持ち込んで、いっしょに状況を整理してもらう。
重要なのは、「自分一人の解釈」だけで決めないことです。
相手の通知は、相手にとって都合の良い書き方になっていることがほとんどです。
全借連+弁護士という「チーム」でリングに立つ
このシリーズでは、私は「自分=ボクサー」「全借連=セコンド」「弁護士=コーチ」という比喩で書いています。
一人暮らしの借主が、いきなりリングに引きずり出されるような感覚を、少しでも具体的に伝えたかったからです。
- 一人でリングに上がると、相手のパンチ(強い言葉・通知)を全部正面から受けてしまう
- でも、セコンド(全借連)がいれば、「これはよくあるパターンですよ」「ここは踏ん張りどころです」と、経験から声をかけてくれる
- コーチ(弁護士)がいれば、「このラウンドは無理に打ち返さず、ガードを固めて。ここで出すべきパンチは、内容証明でこう書きましょう」と、具体的な戦い方を教えてくれる
「家賃値上げバトル」とタイトルに入れているのは、
法的な争いというよりも、「情報と気持ちの面で、一人の借主がどうやって立ち続けるか」という意味合いが強いです。
まとめ:通知が怖いときこそ、「すぐ動く」より「誰かに見せる」
最後にもう一度だけ、最初の結論に戻ります。
- 貸主から「契約解除」「不法占有者」「明渡訴訟」と書かれた通知が届いても、それは貸主側の主張を強く書いた紙にすぎない
- すぐに退去を決めたり、追加の支払いに応じたりする必要はありません
- まずは保存し、支払いの事実を整理し、全借連や弁護士などの第三者と一緒に読み解いてください
賃料増額ドットコムでは、今後もこの「全借連編」の続きを通じて、
- 家主からの通知にどう向き合ったか
- 弁護士名義の内容証明を出した後に何が起きたか
- その過程で感じた不安や、実務的なポイント
を、可能な範囲で記録していく予定です。
「家賃 契約解除 通知 来た」「不法占有者 通知 怖い」といったキーワードでここにたどり着いた方が、
この記事を読み終えたときに、
「まずは保存して、どこかに相談してみよう」
と一歩だけでも動けたなら、この記録を書いた意味があると思っています。
つづく ※最初の記事から読みたい方はこちらへ




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