1. 前回のあらすじと今回の口頭弁論の目的
前回の口頭弁論と並行して行われた調停で、不動産鑑定士である調停委員による継続賃料意見書が提出されることになり、今回の第四回口頭弁論の数日前に郵送で送付されました。意見書では1万円の賃料増額が示されました。家主(原告)が求めていた5万円の大幅な賃料増額は意見書でも認められておらず、一安心。しかし、借主(私)は意見書の内容に疑問があったため、今回は、裁判官、家主、そして鑑定士を交えて、意見書に対する質問を行うことになりました。
2. 鑑定意見に対する借主の質問
借主は、鑑定意見書に記載された賃料算定方法について、以下の点を中心に質問を行いました。
- 経年劣化の考慮: 築古の物件であるにもかかわらず、経年劣化が十分に考慮されているのか。具体的な減価補正の方法について説明を求めました。
- 差額配分法における配分率: 差額配分法における配分率50%は、新築に近い物件に適用されるケースが多いのではないか。築年数を考慮すると、30〜40%が妥当ではないかと主張しました。
- 差額配分法の詳細: 差額配分法における月額正常賃料(価格時点)の対象となった賃貸事例の詳細データ(築年数、間取りなど)の提示を求めましたが、個人情報保護の観点から開示は難しいとのことでした。
- スライド法における各種指数の調整: スライド法における各種指数(消費者物価指数、賃料インデックスなど)の調整方法について、具体的な計算式や補正の根拠について質問しました。特に、物件所在地域の指数がないため、広範囲の指数を用いることの妥当性について確認しました。
- 修繕積立金と固定資産税の影響: 修繕積立金が賃料に直接反映されない理由、固定資産税の増加が僅少であるにもかかわらず賃料増額となることの整合性について質問しました。
3. 鑑定士および裁判所の回答
鑑定士は、各賃料算定方法における経年劣化の考慮について説明を行いましたが、具体的な数値やデータの開示は難しいとの姿勢を崩しませんでした。裁判官は、鑑定意見はあくまで専門家の意見(今回は調停委員=不動産鑑定士の方のご厚意により簡易鑑定5~10万円相当は無料に!?)であり、もしこの意見に修正や再鑑定を求める場合、借主自身が費用を負担して不動産鑑定を自費で行う必要があると説明がありました。
4. 原告側の主張と和解交渉の状況
原告側は、鑑定意見に基づき、訴訟を継続する構えを示しました。また、和解案として、半年以内に退去するなら現行賃料のままで良いという条件を提示しましたが、立ち退き料の支払いは考えていないとのこと。借主は、事前に立ち退き料について妥当な金額を算定しており、裁判所へ準備書面として提出済み。原告側の和解案とかけ離れているため受け入れられないと回答しました。
5. 今後の見通しと裁判所の提案
裁判官は、和解が難しい場合、訴訟が継続されることになる旨を伝えました。また、原告側が訴訟を継続する場合、鑑定意見を補強するために、別の不動産鑑定士から家主の主張が有利になる様、さらに高い賃料となる不動産鑑定書の提出し、証拠を補強して訴訟を継続したいという意向を示していることを伝えました。裁判官は、その場合、借主も、自身で不動産鑑定士を選出し、不動産鑑定書の提出を行い、証拠として提出することを提案しました。
6. 借主の決意
借主は、鑑定意見の内容が不明確なため、反論が難しいと感じており、鑑定の根拠となるところに漏れがあったりする場合、修正して欲しい旨を伝えましたが、裁判所はそれに応じられないとの意向を示しました。本来は5~10万円程度の簡易鑑定を無料で不動産鑑定士=調停委員が対応しているため。
7. まとめ
今回の口頭弁論と並行して実施された調停では、鑑定意見に対する借主の質問に対し、十分な回答が得られず、和解交渉も難航している状況が明らかになりました。
- 意見書の内容に関する詳細な情報の開示は難しい。
- 意見書に反論する場合は、自費の不動産鑑定を別途行う必要がある。
- 家主は訴訟を継続する構え。→自費の不動産鑑定はかなりの出費になるはず。本当にやるの?
- 和解交渉は決裂寸前。→家主が考える和解案を次回口頭弁論までに提出するとのこと。
- 今後は、家主が訴訟を継続する場合、借主も自ら鑑定を行うか、訴訟で争うかの選択を迫られる。
- 不動産鑑定士の意見書は家主が求める様な大幅な増額ではなかった。→このまま裁判所で判決してもらっても借主としては大幅な賃料増額にはならず有利な立場と確信!?








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